B君?、N君45、私47


B君と同じ歳の高校生だったN君。愛車はカワサキマッハV(私が高校生の時欲しかったバイク)でした。タンクには“○○連合”と書いたシールが貼ってありました。N君と特に親しくなったのは私が彼女に「幸ちゃんは私より男の人が好きなんでしょう」と愛想を尽かされた後でした。男が好きなのではなく、車の話が通じないのはつまらなかったのです。彼女のいたN君は親身になってくれ、高校生の女の子まで紹介してくれました。そんな事もあり、N君の家にもよく行っていました。もちろんお母さんは私だと知ると「ご飯食べてってね」と言ってくれました。



N君が車の免許を取ってからは、家業の配達に一人で行くのは、つまらないと言って、私のアパートに来て「行こうぜー、行こうぜー」と、無理やりつき合わせていました。遊びも同様で、「行くぞー!」と連れ出しに来ていました。いつものように吉祥寺に連れ出された時でした。ディスコの前で「帰ろうかー?どうする?」と二人で話をしていると、N君が私を突つくので振り返ると。黒い皮の上下を着た女性を含む10数人に囲まれていました。手にはレストランのナイフやフォークが・・・。状況を飲み込めない私にN君が「こいつら高校生だぜ」と。そうか!と胸ポケットから免許証を出しリーダーと思われる兄ちゃんの目の前に出すと、さっさと行ってしまいました。あー良かったと思ったらN君は私を指差して「ダセー!高校生と間違えられてんのー」と、腹を抱えて笑っていました。(お前だって・・・と)何時もの事ながら情けない事でした。









フェアレディZ(S130)


N君の45は、Xさん宅の帰り道フェアレディZ(S30)で通称30メーター道路に入り加速した途端、目の前に警察官が飛び出したそうです。「焦ったけど、さすがZ。よく止まったよ」と言う45km/hオーバーでした。私の47km/hオーバーは逆で、東京に帰る為に夜の東名高速をS130で、いつものようにベッタンコ踏みで走っていました。車には、高速の状況が分かる無線機と、レーダー感知機を搭載し、何箇所か注意が必要な場所を把握していました。確実な情報が入っていた鮎沢のパーキングを通過する際に、合流してくる車を見つけ注意しながら走っていました。しかし、私がハンドル操作だけでトラックの間を抜けているのに、やたら加速・減速が多く助手席の人が運転手に向かって手を振り上げて怒っているような様子がシルエットで見えていて、とても滑稽だったので、まさかパトカーとは思えなかったのです。そして山間の道が終わり(直線は、つまんね〜。と)アクセルとハンドルを離し背伸びをして(眠て〜・・・。と)ボケーッとしていると、パトカーが脇に寄って来た。何かと思いオーディオの音量を絞ると「速度違反です。パーキングに入って止まりなさい」との事でした。警察官に「新型だなスピード出るだろう、旧型だけど我慢して乗ってくれるかい」と、フェアレディ260Z2/2に乗せられて「127km/hですね」と言われ。いやー助かったと思ったら、なんと80km/h制限でした。パトカーは鮎沢パーキングから追いかけて中井パーキングの手前で、減速していた私に、やっと追い着いたのか。50km/h以上の違反だと扱いが変わるので減速するまで待ってくれたのかは判りませんでした。そんな訳で私は47でN君に勝利?しました。免許停止の講習に行くと、講師が「内池君、都内の制限速度は何キロですか?」と。「全線40km/hです」と。講師「ところで君は、何故ここに来たのですか?」と。「スピード違反です・・・。」会場は爆笑でした。きっと毎回、同じ事を言って笑いを取っているんでしょうね。



無線の仲間達と伊豆白浜にあるN君の別荘へ。いい加減酔った私が飲んでいたビールにウィスキーを混ぜた親切な仲間がいて。気がつくと朝。記憶の無い事を良いことに「暴れた!からんだ!酒癖が悪い!」と、言いたい放題でした。(真実は?)
N君(左)・私(右)
二日酔いの私に「しっかりしろよ〜。」と
小さくても女の子ですね
心配していてくれました。

Eさんの娘さん。子供なんてうっとおしいと思っていた私でもEさんの娘さんは別でした。煩くないのです。イヤな時は、お母さんに隠れ。そうでない時は黙って付き合ってくれ、とても心が安らぐ存在でした。いつもは私が娘さんを捕まえて振り回していましたが、この時は心配して来てくれたようです。でも・・・。少々疑問があるのです。Eさん宅へ伺った時でした。Eさんが笑いながら「君がモデルの本だよ」と茶色の紙袋を手渡しました。脇にいた奥さんと娘さんが笑いをこらえているのを見て、何かあると思い恐る恐る開けると。表紙に白い犬の絵が・・・?“おはようスパンク”の本でした。私がモデルでは無いと思いますが、Eさん家族にとって“白いフェアレディZ(白馬?)に乗る田舎者”は、“白いドジ犬”に見えたのかもしれません。
アホなペットでも具合が悪ければ心配しますよね・・・きっと。



さよならN君