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FlowerDを掲載して残念だった事は、ドリフトについて書けば、もっと沢山の体験談を聞けると思っていたのが。今まで「ドリフトはね、フロントウィンドウの景色が横に流れるんだよ!今度見せてあげようか。」とか「この前、横を向いたんですよ。」なんて言っていた若者達が車の話をしてくれなくなった事でした。私は、イニシャルDのアニメで、ハチロクのブレーキランプの軌跡が曲がっている事に疑問を持ち、いろは坂を走るシーンを見て。私も似たような事をしていた事に気が付いたのです。しかし、運転席から見える状況(右コーナーに進入すると、これから走る道路が左側の窓から見え、だんだん左側のフロントウィンドウに移動し、最後に正面に見える。)しか分からなかったので。他の人の話しを聞けば、もっと詳しく分かるような気がして楽しみにしていたのですが・・・。ドリフトについて、あまり知らないのに書いてしまったので、私の真似をして事故を起こさないように。その後、思い出した事を(危険性を含めて)書いてみました。 |
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走り方が変わって気が付いた事。
ドリフトを覚えたのは、高山から木曽福島に向かう山道(直線距離約50km)に入って間もなくで、ほぼ全てのコ−ナーでドリフトを試みたので。直線距離が40kmでも1kmに1回なら40回、2回なら×2、道のりが倍なら×2回の回数を行ったのだと思います。しかし、車の動きに集中していたせいか直後でも失敗や発見があった数回の風景と車の挙動しか覚えていませんでした。最初に気が付いたのは、ブレーキを踏みながらオーバースピードでコーナーに入れば四輪ドリフトするという事でした。次は、左ブラインドコーナーの出口でドリフトがセンターラインを跨いて終わった事で。昼間の左ブラインドコーナーでの私のライン取りは対向車線から進入するものの、対向車が見えたらアクセルオフで自分の車線に戻り、対向車が無ければアクセルオンで対向車線に膨らんで加速する方法だった事でした。 |
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次に気が付いたのは、ドリフトは滑り易い路面でも、コーナーが予想よりキツくても問題は無いという事でした(理由は分かりませんが、私の場合コーナーの出口までブレーキに足を乗せていました。)また、120km/hで曲がる“くの字”のカーブでは、コーナーギリギリまでアクセルを踏み続け、道幅分の四輪ドリフトで向きを変える事が出来ました。そして100km/h以上からならブレーキを踏みながらハンドルを切る事で、連続して左右に向きを変えられる事が分かりました。しかし、直線が短く60km/hから試すと、ドリフトしないので無理にタイヤをロックさせると。ヘアピンコーナーの真中で横を向いて止まりそうになり慌ててブレーキを解除。速度が70km/h以下では180度ターンは出来ても四輪ドリフトにはならない事が分かりました。そして、このドリフトはオーバースピードでコーナーに進入し、ステアリングとブレーキだけでコントロールする事が分かり。焦ってブレーキを踏まないようにグリップ走行のブレーキングポイントで声に出して「い〜ち!」と数えてからブレーキを踏むようにしました。
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滑り易い路面
途中で濡れた路面を通過しました。そこは沢の水をコーナーの頂点を横切る排水溝で処理している所で。道路はU字型に曲がっていたので木々の間からコーナーの先の道路が見えていました。そのため安心して100〜120km/hでコ−ナーへ。フルブレーキ+切り込みと思った時、路面が濡れている事に気がつきました。しかし狭いコーナーでの100km/h前後は速くアッ!と思っただけで通過してしまいました。前日は雨が降ったのか沢が溢れて山肌から10m以上の幅で道路を横切る排水溝に水が流れていたのです。私の車は少なくても2cmはある水の上を前輪が1m位後輪は5m以上を通過したのですが排水溝の蓋の小さなショックの後に後部荷室の下で大きな水音がしただけでした。心の中でウワーッ!危ネー。と思いながらルームミラーを見ると。2m・5m・10mほどの3層の水のトンネルから飛び出してきたように見え。凄いなー・・・と思ったものの直ぐに次のコーナーが迫り感動には浸れませんでした。
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フェアレディZ(GS30)の頃。東名高速を160〜180km/hで車線変更しながら5往復位した頃から、高い速度でも視野が狭まらなくなり急激な車線変更でも車体がフラつかなくなりました。そして、関ヶ原の下りで自分が速くなった事に気が付きましたが、この頃からコーナーリングが楽しくなくなったのです。それは、コーナーの頂点付近から出口の間でアクセルを開ける→リヤが流れる→ステアリングを戻す。という操作を3〜5回行わなくてはならず。出口では予定より30〜60cm位膨らむ事になり。一気にフル加速という気持の良いコーナーリングでは無くなっていたからです。 |
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それがドリフトを覚えると。直線で目一杯加速→グリップ走行のブレーキングポイントから「い〜ち!」と数えてフルブレーキ(スキーでストックを突くように、きっかけ作り)+90〜180度切り込み(体をよじる感覚)をするだけ。後はコーナーの出口に向けてステアリングを戻し(滑り易い場合にはスキーでエッジを立てるようにブレーキを踏みながら)そしてコーナーの出口に向けてアクセル全開。まるで道路でスキーをしているみたいだったので、とても楽しかったのです。ドリフトをしようとすると最初に気になるのが道幅だと思います。小さな車ならドリフトの練習が出来るのに・・・と、よく思いましたが。私のしていたドリフトはコーナーの頂点近くで横を向く為か?車の全長+前後に1mもあれば全く不安はありませんでした。
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次に考えるのは、ドリフトのコントロールだと思います。しかし、これはよく分かりません。自分の通りたいラインを考えると、手と足が勝手に動いていたという気がします。その頃の私は、名古屋往復・福島往復・下関を含め10ヶ月間で約3万kmを“元気に”走っていたので。鮎沢のパーキングからフェアレディ260Zのパトカーに追跡された時も(逃げたのではありません。)ブラインドコーナーで大型トラックに追いつくと。メーターが振り切った状態でインに切り込んだり、アウトに膨らむ為に、一瞬ステアリングから手を離したりと、考えていたら間に合わないような事をしていたので。おそらく反射的に体が動いていたのだと思います。そして、高速道路をアクセル全開で走っていた私にとって120km/h前後は、いつも60〜70km/hで走っている人が30〜40km/hで走るようなものだったのかもしれません。 |
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しかし、木曽福島町に近づいた時、大変な事に気が付く事になったのです。それは眼下に幹線道路が見え始めた時でした。普通なら交通量が増えると判断するのにドリフトに夢中で気が付かなかったのです。見通しの良い緩い右カーブで130km/hから横を向け、この日最長のような気がする四輪ドリフトで気分を良くし。道幅は十分にあるし長めの下りの直線だったので、また100km/hオーバーからの四輪ドリフトを期待して2速ホールド・アクセル全開で次のコーナーへ向けて加速。
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80km/hを越した時、次は左ブラインドコーナーだと分かり、ゆっくり対向車線へ。そして、120km/hを超しブレーキングポイントを決めようとしていた時、対向車が現れたのです。とっさにフルブレーキ、一瞬ブレーキを解除して自分の車線へ戻り更にフルブレーキ(今まで、見える範囲で止まれる運転をしていたと思っていたのが止まれない運転になっていた事に気が付きました。)そして、私の車線は土砂崩れで通れず、悪い事に対向車(黄色のチェリーバネット)がコーナー内で止まってしまったのです。(キティちゃんを見る為か?対向車が猛スピードで迫って来たから?) |
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周囲に逃げる場所は無く。土砂崩れを止めているコンクリートブロック(高さ1m位)と対向車の間2m弱を通る事を決心。直線なら自信を持って通過する幅なのに、ハンドルを切りながらは初めての事で。車体左側は諦める事にして、右側を対向車のリヤバンパーから10cmを狙い、車体を安定させるためにブレーキを解除して進入。幸な事にショックは無く無事減速。なんとそこからは車1台やっと通れる道でした。(後続車が1秒早かったら大変な事でした。) |
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長い間。自分の運転は、コーナーの前でフルブレーキを踏んでいるから何かあっても、そのまま止まれると思い込んでいたのです。普通なら反省するところでしたが、これほどに車との一体感を感じたのは初めての事で。ドリフトが出来ない道になったのが分かると。楽しく遊んでいた子供がオモチャを取り上げられたみたいに対向車に当たり散らし。妻に(結婚前)「どうしたの?」と言われ我に返りました。その後ブラインドコーナーでは出来るだけドリフトは避けるようになりました。という事で、私が行っていたドリフトは、対向車を避ける事は出来てもコーナー内で止まるのは難しいようなので真似をしないでください。と言う話でした。 |
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追加
私がドリフトを出来るようになった理由は他にもありました。それは、妻がこの車を選んだ事と、静かに乗っていてくれたおかげだと思います。助手席に乗っていたのが私だったらドリフトなんて、もってのほかでフルブレーキをかけられただけでも「電車で帰る!」と言っていたと思います。 |
フェアレディZ
( S−130)
2000t 3速AT
全長 4340mm
全幅 1690mm
全高 1295mm
総重量 1300kg
最高出力
130ps/6000rpm
最大トルク
17.0kg/4000rpm |
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上記の数値を見る限り、ドリフトとは無縁な気がします。でも、M君が言っていた速く走る方法「アクセル全開で、ブレーキを踏まなければ良いんだよ!」に近づければドリフトが出来る車で、私の感覚的には“とんでもなく速く”走れる車でした。今になって思い出すと恐ろしい限りですが、イニシャルDのアニメを見るまで忘れていたという事は、当時の私にとっては“どうでも良い事”だったのかもしれません。 |
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“俺の若い頃は!”という今となっては何とでも言える話でした。 |
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