車を運転する際の私の決め事は。前に書いた、人を乗せている時は無理をしないの他に、シートベルトを拒否する人は乗せない(シートベルト着用が義務でない頃)。衝突しそうになっても最後の1mmまで絶対に諦めない、アクセルかブレーキと考えたら迷わずアクセルを踏むと決めていました。
シートベルトでは。初めてドライブに誘った女の子に、私「シートベルト締めてね。」女の子「胸がキツイからイヤ!」私「シートベルト締めて!」少しの沈黙があり女の子はシートベルトを締めてくれましたが気まずい雰囲気に・・・。私「この車のブレーキは強力だから、シートベルトをしていてもらわないと安心してブレーキを踏めないんだよ。」と説明をすると納得してくれたらしく次からは自らベルトをしてくれるようになりました。私の決め事は、相手が誰であろうと譲れなかったのです。


しかし、東名高速で大型トラックに衝突しそうになった時は、最後まで諦めないつもりでしたが、恐怖に耐え切れなかったようです。フェアレディZ(GS30)は連続高速走行のせいかエンジンも足回りも壊れかけていたので、スカイラインをブッち切ろうとして200km/hを越したあたりから接地感は無くなり水面に浮ぶ小舟のような状態で、今にも車線変更しそうな3台の大型トラックをこのままの速度で追い越すのは自殺行為と判断。減速しようとミラーを見ると、10m位後方にスカイラインが見え余裕で走っているように感じました。私は、ここで減速したらナメられると考え大型トラックの脇を突っ切る事を決心!
メーターは210km/h。大型トラックに向けてパッシングライトで追い越しの合図をしアクセル全開に。そして最後尾のトラックに20m位に迫った時、車線変更しないてくれ!とばかりにヘッドライトを上目にした途端、中央のトラックのウィンカーが点灯。路肩に車線変更出来る状態では無いので急ブレーキ!しかし、吸い込まれるように大型トラックの側面へ。



とにかくトラックを避けなければと車を中央分離帯に寄せると。中央分離帯の縁石は上部が丸く張り出していて、上面は人が楽に歩けるほど広く、排気ガスでとても汚れている事に気が付きました。その時、私には中央分離帯から10cmの所をかすめるタイヤが見え、後5cmなら寄せられる・・・でも大型トラックの脇を抜けるには50cm位足りないなー・・・。ダメた大型トラックの前輪の後あたりに衝突する・・・。と思った時、左上に大型トラックの運転席が見え真っ暗な空間へ。
そこは音も光も無い真暗な夜空のような所で。上を向いているような気がしたので下を見ると。両側の山が海岸線まで張り出した入り江の街の明かりが見えました。そして反対側の山を見れば何処が分かるだろうと振り返ると、眼下の暗闇には福島にあるはずの信夫山が見え(そんなバカな・・・と思った)外が明るく照らされた出窓のある暗い部屋にいるような気がし、ヘッドライトに照らされた林道のような風景になり。ここが林道なら車の中かなと思い下を見るとスピードメーターとタコメーターがあり針は上を向いていました。ミラーを見ると大型トラックが2台見えたところで高速道路を走っている事に気が付いたのです。




突然音と振動が伝わり、慌ててハンドルを握りアクセル全開に、でも加速しない。ギヤは5速に入っていたので4速に、でも加速しないので3速に、3速100km/hならフル加速なのにやたら遅く感じ125km/hを越し速度警告音が鳴り出したところでホッとしたら急に怒りが込み上げ(大型トラックの運転手が進路妨害をしたように感じたので)いつものように力任せに蛇行運転!4速130km/hなら急激な車線変更なのにエンジン回転が5000回転を越す3速でやると、一気に後輪が滑り出すのです。しかし後輪が滑り出すと足が勝手にアクセルを戻しスライドを止めてしまい左右に45度位しか振れないので余計に腹が立ち大型トラックでなければ・・・。何か仕返し出来ないものだろうかと考えていると、路肩から現れたスカイラインのドライバーが窓から手を出し着いて来いとばかりに左側を指差しました。




スカイラインのドライバーに 誘導されてパーキングへ。しばらく話をしていると後の方が騒がしいので振り返ると、大型トラックが3台止まっている前で大声を出している男を左右から抑えている姿が見えました。さっきのトラックの奴らかな?何を怒っているんだ今度は許さないぞ!と思いましたが、無視して話を続けていると、いつの間にか静かになっていました。怖い思いをした時の事は克明に覚えているもので。糸口が掴めると、いろいろと分かってくるものです。200km/h以上から100km/hになると歩いているように感じ、200km/hから衝突しそうになった後では人間が怒っているなんて、とても小さな事に思えました。そして、そんな速度域で対向車線に飛ばされていたらなんて考えると。街中で騒音を撒き散らしているだけの暴走族なんて、とても可愛いものに思えてくるものです。









アニメ、イニシャルDの藤原拓海の得意技のひとつが、夜の峠でライトを消して追い越しをかけるブラインドアタックです。次元は違いますが、私もライトを消して追い越していた事を今頃になって思い出しました。きっかけはフェアレディZ(GS30)の頃で。夜の東北自動車道路を走っている時でした。混雑していたので半ばあきらめながら追い越しているとワンボックスカー(後部ドアが1:2に観音開の車)が私の前を塞いだのです。私は無理をしても、あまり変わらないと考え追走していました。しかし、左車線が空いても戻らないので、左から追い越そうとウィンカーを点灯すると前の車も点灯。でも車線変更はしない。もう一度点灯すると、また点灯するだけなので。ウィンカーを点灯しないで車線変更しようとすると、一緒に移動する。私の車のライトを見てイタズラしているのは明らかなので。ライトを消せば反応が遅れるかも?と考え。ライトを全て消して車線変更。追い越しながら車内を見ると、運転手も助手席の人も全く気がつかない様子でした。そして、ワンボックスカーの前に出て数台の車を追い越し、一気に引き離しワンボックスカーが全く見えなくなってからライトを点灯しました。周囲に車がいれば無灯火でも不安が無いものの、追い越された車のドライバーは、自分のライトの光の中に、いきなり車が現れるので。ギクッ!っとした表情をしていました。ひとつ間違えれば衝突される危険な行為ですが、意地悪なトラック等との無益な争いを避けるにはとても有効な方法でした。